その日まで その2

 父は見るからに弱ってきているそうでした。何をするにもだるそうで、だんだん一人では動けなくなってきているようです。とてもじゃないけど、一時帰宅出来る状態じゃなくなってきました。
 血液検査の結果、肝臓の機能が落ちてきているようでした。どうやら肝臓に転移したガンが騒ぎ出したようです。「ようです」というのは、余りに弱ってきたので精密検査が出来なくなったので実際どうだったのか分からないのです。

 3月に入ると、父は一層弱っていきました。そして色々と問題があったので個室に移る事になりました。別に宣告を受けた訳じゃないのですが、「ああ、いよいよか……」って気分になりました。でも実際の所は、まだまだそういうレベルじゃなく、同室の人に迷惑になりそうだからというのが個室に移った理由だったんですけどね。

 父が個室に移ってから数日後、仕事が中止になってせいもあって見舞いに行きました。ベッドに横たわる父の顔を見て驚きました。今まで以上に病人の顔付きになっていました。

 その週の金曜日、11日に仕事中にもかかわらず涙声の母から電話が入りました。不審に思い尋ねると、担当医から「もう長くない」と宣告されたと……。

 その週末にはサッカーの観戦仲間とシーズン開幕記念宴会があり、その翌日にはホーム開幕戦が控えていました。父がそんな時に行くのはまずいかと思ったのですが、「まだ大丈夫だから、行ってきなさい」と母も言ったので、行く事にしました。
 12日の土曜日、仕事が終わってから仲間が待つ店へと向かいました。店は……

1192作ろう、ジンギスカーン!

 楽しい酒を飲んだ後、2次会として仲間の家に向かいました。あるジャンルのアニメ鑑賞会をする為です。大騒ぎしているウチに、気が付くと寝ていました。

ええ、大丈夫だと思っていたんですよ