一度も行ったことのない懐かしい場所

ここをチェックしてる知り合いももういないだろうから、ここで書いてみる。

結構前なのだが、「空から日本を見てみよう+」で関東の某市上空を飛んだ回を見ていた時のこと。不意に30年ぐらい前のことを思い出した。

「あ、ここってあいつが住んでた街だ」

大学時代、遠距離恋愛していた相手が住んでた街だった。
ただ、こっちから向こうに行ったことはなく、ましてや今となっては彼女の住所も覚えてないので、単に全く見覚えのない街だったのだが、なぜか見ている間はセンチメンタルな感情に包まれていた……(´・ω・`)

どの辺に住んでいたか気にはなっていたのだが、調べようもないので昨日まで放置していた。

で、昨日。グーグルマップで別の街を見ていた時、彼女の住所が何らかの形で残ってないだろうかと不意に思った。今と違ってメールなんかではなく手紙のやりとりをしていたが、別れてしばらくしてから全部処分したし、住所をメモった手帳なんかも残ってない。
手帳?
そういえば、彼女からプレゼントされたシステム手帳があったはずだが、あれはどうしたっけ?
その手のものをつっこんである棚を探してみたところ、拍子抜けするぐらいあっさりと手帳が見つかった。でも、もらった手帳ってこれだっけ? と思いながらページをめくると……。

あ、あった。

彼女の住所と電話番号、勤め先が住所録に書いてあった。
その住所をグーグルマップに打ち込んでみると、彼女が住んでいたアパートと同じ名前の建物が今も建っていた。ストリートビューで見てみると、けっこう古そうなアパートだったので、おそらくは彼女が住んでいた頃と変わっていないと思われる。
30年近く前な上、別れた後に転職したと聞いているので、とっくにここには住んではいないのだろう事ぐらいは分かっている。だけど、ここから鉄道と飛行機に乗り、わざわざ会いに来てくれてたんだと思うと、上手く言語化出来ない感情があふれてきた。

大学卒業時に手紙を送ったきり、こちらからは連絡を取っていない。向こうからは別れ話以降、コンタクトを取ってきたことはない。なので彼女がどこで何をしているのか知りようもないし、さして興味はない。
だけど、ひょんな事から分かった彼女が見ていた街並みは、初めて見るのになぜが郷愁が誘われたのだった。

一度ぐらいはこちらから遊びに行けばよかったな。ま、金はなかったから無理だったのだけれども。