忘れた訳じゃない

 『スターシップ・オペレーターズ』見てますよ。ええ、毎週欠かさず。ここで突っ込まないのは、見るのを忘れたせいではなく、突っ込みどころがないからでもありません(笑)。突っ込みどころはあっても、それは突っ込まないのがお約束だからです。
 宇宙戦艦同士の一騎打ちがあり得ないというのは簡単ですが、原作小説がそれを書く為に設定を作り上げている事から、そこが納得出来ないなら見なければいいだけの話です。「人型ロボットで宇宙戦争なんてあり得ない」って言う奴がいたら、「だったら見なくていいぞ、莫迦」で済ませるのと同じですから(笑)。

 あのアニメに突っ込むとしたら、原作で5巻まで出てる未完の作品を1クールアニメにしてどうしようってのよ? って所ですな。そのせいで、結構面白い話が没になっています。
 例えば、第1艦橋と第2艦橋のオペレータの女の子達が護身術で戦う事になる話が没になっています。それを銀河ネットワークでプロレスや総合格闘技のノリでオンエアしようとするのですが、その目論見はもろくも崩れ落ちます。何故なら、彼女達は軍人であり、扱う護身術も敵を無力化する為のものであり、はっきり言ってしまえば殺人術な訳です(笑)。そんな訳で、彼女達の戦いは肘打ちにきた相手の首を絞めにいったり、ブーツのヒールで相手の足の親指を踏んだりと、容赦がありません。派手な展開を期待していた番組の構成作家は、がっくりと肩を落としてこの映像をお蔵入りにさせるのです(笑)。
 そんな事をするのも、全ては視聴者獲得の為なんです。CATVやCSのように、視聴者との契約料やCMやグッズの販売といった2次収入がないと、宇宙戦艦を維持していけません(笑)。

 つまり、その辺の面白い設定(地獄の沙汰も金次第)を生かし切っていない事が、このアニメの最大の欠点な訳です。そして、そうせざるを得なくなった理由が、これが1クールアニメだからです。王国との戦闘を追うのが精一杯で、その様な暇ネタをやっている時間がないのでしょう。ですが、その暇ネタがないと、原作を生かし切れないと思うのです。それがないせいで、彼女達が何故銀河ネットワークのプロデューサの意向を聞き入れるのか、その理由が伝わってきません。

 1クールアニメなせいで、今週、里見レンナを戦死させましたしね。展開を盛り上げる為だけに、メインキャラを殺しました。原作通りなら、この時点までで誰1人として戦死してないんですから。アニメ第2話で戦死した整備班員も、原作第5巻でようやく一人が戦死(しかも、彼が初めての戦死者)するだけです。ちなみに、アニメのこの部分は、原作ではまだ3巻です(笑)。

 これをアニメ化するんなら、せめて2クール用意しろっての。だったら、心置きなく突っ込むのにな(笑)。やらないでいいオリジナル要素取り入れて大失敗とかね(爆)。