地雷

劇場版CLANNAD見てきました……。
劇場版AIRの件もあり、どうせ地雷だろう、だからあくまでネタとして見に行くんだと心に言い聞かせていました。おそらく渚は死んじゃうんだろうから、そこで泣くのは条件反射だと、自分自身に言い訳しながら行きました。


地雷どころじゃねぇ
核地雷だったよ……
orz


変なキャラデザとか、エキセントリックな出崎演出とか以前の問題でした。どう考えても、CLANNADってゲームをやらないで作ってるんじゃないかと思える程、CLANNADっぽくありませんでした。なんか違和感だらけで……。

一番の違和感は、杏と智代の立ち位置です。渚ルートで話が進む以上、ふたりがストーリーのメインにいないのは仕方がないし、ある程度オリジナル展開になってしまうのはまあ当然の事です。ですが、智代が立候補している生徒会長の選挙運動を杏が応援しているのは、原作ゲームをやった人なら分かるとは思いますが、もの凄く違和感があります。
ゲームとアニメは違うと言われればそれまでですが、だったら原作に選ばなきゃいいじゃん!?

ゲームの杏は初めから朋也に思いを寄せているのですが、この劇場版では見た限りではそういう感情はあまりないようです。そのせいか、杏が何故朋也と渚に絡んでくるのかがイマイチ伝わりません。
智代にしても、ゲームとは違ってフラグが立っていない(笑)ので、朋也達に絡んでくる理由がやっぱり……。
一応その辺は「渚に引かれてみんな集まってくる」という事になっていて、それは確かにゲームでも言われてた事だけど、集まるきっかけは渚じゃなくて朋也だったような気がするんだけどねぇ……?


んで、違和感のピークは後半になって訪れます。
渚を喪って5年経ち、朋也の様子を見に智代と春原がアパートに遊びに来ます。智代は晩ご飯の準備までします。
春原はともかく、ゲームをやってたらここは智代じゃなく杏を使うと思うんですけど?
さっきも言いましたが、ゲームにおける杏は元々朋也の事が好きで、その後は彼の娘である汐ちゃんが通う幼稚園(保育園?)の保育士をやっています。それを踏まえると、料理も上手な杏の方が原作ファンはしっくり来るはずだと思うんですけど?
まあ、仕事帰りっぽい智代(OLなんだろうか?)の姿が通い妻っぽくて(;´Д`) ハアハアする香具師もおおかったんジャマイカ?(笑)


幻想物語をオリジナルっぽい話に改編してみたり、朋也と渚が初めて出会う所も改編してましたが、この辺も原作ファンをないがしろにしてますよね。「あ、あんパン!」も無くなってたし(- -;)。


最悪だったのはラスト。
落ち込む朋也を元気づけようと、春原や杏、智代、そして芳野祐介伊吹公子が拉致さながらにアパートから引っ張り出します。列車で着いた駅で待ってるのは秋生と早苗さんと汐ちゃん。満面の笑みで「パパ」って声をかける汐ちゃん。朋也に駆け寄る汐ちゃんと、慌てて彼女に駆け寄る朋也。
みんな笑顔で見守る。


で、END……。


これで終わりかよ!
ヽ(`Д´)ノ

あのな、ホントにゲームやったのか? 渚ルート(と言うか、アフターストーリー)のキモはこの後じゃないのか?
大体、汐ちゃんが満面の笑みを浮かべている時点で、ゲームをまともにやってないのが分かったね。汐ちゃんの立ち絵、どれもこれも何か遠慮した感じの笑みしか浮かべてないんだぞ。いくら実の祖父母(当人達は絶対にじいちゃんばあちゃんとは呼ばせないだろうけど(笑))と一緒とは言え、母は他界して父は廃人同然(言い過ぎ(笑))な状態で育った汐ちゃんが初めて屈託のない笑顔を見せるのは、アフターストーリーのEDムービーにおいてなのに!


もうね、シナリオの時点で腐っていやがるですぅ。<翠星石
それでも、さすがに渚が死ぬ時には泣くと思ってましたよ。あのAIRですら、観鈴が「ゴール」した時に思わず泣いてしまったぐらいだから(;´Д`)。


ところが!


いざそのシーンになっても全く泣けません。一滴の涙も出てきません。
この感情移入能力過多のヒゲ独身が泣かないんですよ? 道新に載っていた、シベリアで抑留されていた人達がこっそりと飼っていた犬との交流の話でマジ泣きしただけでなく、それをサポ仲間に説明しているだけでまた泣くようなヒゲ独身がだぞ? 予告編だけで泣いてしまうからという理由で、「火垂るの墓」を一度も見ていないヒゲ独身がだぞ!?
AIRの時はそこまで身構えてないで見に行ってた。だけど、今回のCLANNADは予め地雷原に足を踏み入れる覚悟で見に行ってる。その辺の違いはあるんだろうけど、それでも泣けないのが不思議です。親子に死に別れってシチュだけで号泣するこのヒゲ独身なのに!(笑)


ああ、これが私だけの一方的な評価だとは思わないでね。スタッフロールが流れ出したと同時に、劇場内に失笑が漏れたんだからね!






orz


ま、原作ファンならブーイングの代物だったね……。


あまりに酷かったので、iPodでゲームの方のサントラを聴きながら帰ろうとした時、ある事を思い出しました。


あ、パンフ買ってねーや!





ま、いいか。
あんな糞映画


今までどんなにつまらなかった映画(例えばインディペンデンス・デイ)でもパンフレットは買ってたんですけどね。これはマジでどうでもいいや……。


京アニCLANNADには本域で期待だな。Kanonと違ってメインにならなかったヒロインのエピソードも織り交ぜやすいからね。
きちんとKeyらしい「奇跡」も描いて欲しいもんだな。


もっとも、Kanonはその辺は逃げちゃってたけどね……。<京アニ